性交後避妊・緊急避妊・モーニングアフターピル・ヤッペ法
妊娠を希望せず、一般的な方法（コンドーム・ペッサリーなど）による避妊に失敗した場合、もしくは避妊なしでセックスをしてしまった場合、その72時間以内 （3日以内）に特定の中用量ホルモン剤を特殊な方法で服用することにより、ある程度妊娠の成立を抑え られることが知られています。これを性交後避妊またはモーニングアフターピルもしくはヤッペ法と呼んでいます。
通常の避妊法に比較して妊娠が成立してしまうことがやや多く、確実な避妊方法ではありませんが、やむを得ない場合（うっかり避妊なしでセックスしたとき・どうしても相手の協力が得られない とき・コンドームが破れてしまった・レイプに遭ってしまったなど）に人工妊娠中絶を予防できるかもしれません（失敗率５％程度といわれています）。
副作用としては、ホルモン剤を通常に使用する量より多めに服用するため、胃腸に不快な症状が起こることがあります。
薬を服用するにあたっては、薬が十分に作用するように、暴飲暴食およびふだんと余り違った食事を避け、嘔吐や下痢などを起こさないように注意してください。
また、すでに成立してしまった妊娠や、ヤッペ法をうけた後の性交に関しては避妊効果はありません。月経が始まるまでは性交をしないか別の確実な避妊方法が必要です。
この方法を受けた１〜２週間後に月経様の出血が起こるといわれていますが、妊娠が継続して流産しかかった場合など月経と紛らわしいので、性交後３週間経った後、尿による妊娠反応検査を受けることをお勧めします。基礎体温の記載も参考になります。
このような方法があっても、避妊効果は通常の方法（ピルやコンドーム)にはかないません。また、性感染症（性病）の予防にはコンドームが有効なので、安易に性交後避妊にたよらず、常日頃より確実な避妊方法を心がけるようにしたいものです。
※ 平成23年5月より正式に性交後避妊薬ノルレボ錠0.75ｍｇが使用可能になりました。従来の中用量ホルモン剤を使用する場合に比較して、全体のホルモン量を低く抑えているため嘔気などの副作用が軽減され、服用も従来の2回から、1回の内服で効果が得られるといわれています。